8歳と4歳の子どもを育児中のMAYです。上の子も下の子も抱っこ大好きで、数々の抱っこ紐を試してきました。その中でも、スリングはとても便利で、下の子が3歳すぎまで使用していました。今回は、そんなスリングの使い方、魅力をお伝えしたいと思います。
目次
・スリングって何?抱っこ紐と何が違うの?
スリングとは?
スリングは通常の抱っこ紐とは違い、大きな1枚の布からできています。元々は、医療体制の整っていない発展途上国で、赤ちゃんをケアするために使われていたのが始まりです。今では、世界中の人がスリングを利用しています。日本では、布の端にリングのついたタイプとリングのついていないタイプが販売されています。
抱っこ紐と何が違うの?
日本では、スリングは、「新生児にも使える抱っこ紐」という認識が広がっていますが、実は通常の抱っこ紐とは目的が違います。通常の抱っこ紐は、「ベビーキャリア」とも呼ばれ、子どもを運ぶ道具としての使用が主な目的です。そのため、運ぶ人の負担をいかに軽くするかに重点が置かれています。長時間の移動や、狭い場所での移動に抱っこ紐は便利です。
スリングは、「ベビーウェアリング」、「第二の子宮」とも呼ばれています。赤ちゃんを運ぶための道具ではなく、赤ちゃんとのコミュニケーションをとるためのもの、身に纏うためのもの、というコンセプトです。赤ちゃんと子宮の中にいるかのように密着することで、愛着が形成されていき、絆を深めることができる、と考えられています。
スリングの使い方は?
スリングは、大きな布をリングに通して袋のように整えてから使います。肩からたすきがけのようにしてかけて、赤ちゃんをくるむようにして抱っこします。抱っこの仕方にコツがあり、使い方を間違えると転落事故、脱臼に繋がります。
しっかりと使い方を覚えることが重要です。練習が必要ですが、慣れてしまうと、ベルトつきの抱っこ紐に戻ることは考えられないほど、着脱が楽です。
リングなしのスリングは、サイズの調整ができないので、準備は必要ありませんが、リングありのスリングは、準備が必要です。ここでは、リングありのタイプの使い方をご紹介します。リングありのスリングは、赤ちゃんの成長に伴い、調節が可能なため、長く使えます。リングなしのタイプは、赤ちゃんが成長してくると窮屈になるため、セカンド抱っこひもが必要になるかもしれません。
スリングの名称
リングありのスリングには、二本のリングとテール、ポーチと呼ばれる部分があります。リングはテールを通すためのものです。テールは授乳時に、目隠しをしたり、ポーチのサイズの調整をするために使います。ポーチは、赤ちゃんの体重をしっかりと支える役割があります。赤ちゃんの体重をしっかりと支えるためには、1m程度の布幅が必要です。
スリングの準備
step1 布を広げる
リングありのスリングは、大きな一枚の布に、リングがついています。リングに布のはしを通して、ポーチの形にして使います。
step2 ギャザーを作る
リングと反対側の布を寄せて、ギャザーを作ります。なるべく細かくギャザーを作ると、赤ちゃんを抱っこするときに、布が広がり安くなります。
step3 リングに通す
ギャザーを寄せた布のはしを反対側のリングに通します。リングは二つついているので、二つのリングに通したあと、リングとリングの間に布を挟んでもう一度通します。リングに通した布をひっぱって、形を整えます。
スリングが輪っかの状態になったら、準備が完了です。この準備を毎回する必要はないですが、布が新しいと滑りが悪いため、微調整は必要だと思います。
スリングの使い方
スリングの準備ができたら、今度は抱っこをする前に、サイズを調整しましょう。サイズがきちんとあっていないと、肩が痛くなったり、腰に負担がかかり、スリングを使うことがストレス、億劫になってしまいます。
肩にかける
準備が終わったら、肩にたすきがけの要領で、スリングをかけます。右肩、左肩どちらにでもかけることができます。私の場合は、左利きのため、聞き手の左肩にリングを持ってくることが多かったです。利き手側にリングとテールがあると、布を引きやすいので、着脱の際に便利なので、おすすめです。
この時、背中側の布が絡まっていないか、捻れていないかをよく確認しましょう。捻れていると、ポーチが小さくなってしまい、赤ちゃんをしっかり支えることができなくなります。
肩から脇の下にかけて、しっかり広げておくことがコツです。鎖骨の内側にリングがずれてしまうことのないように、注意してください。たまに、首の付け根にリング部分が来ていて、赤ちゃんが落ちそうになっているのを見かけますが、危険です。
リングが首の付け根や、鎖骨の内側になってしまうと、赤ちゃんを支えるポーチが緩くなってしまいます。転落事故にも繋がりやすいので、しっかりと鎖骨の外側にリングが位置するように調節しましょう。
テール(リングに通した布)を引く
リングに通したテールを引いて、ポーチを赤ちゃんの大きさに合わせます。どんなにポーチを大きく作るとしても、お尻を支える部分の布の位置が自分のおへそよりも下にならないように注意します。
ポーチ(赤ちゃんをくるむ布)を整える
リングをかけた肩とは反対側の手を、ポーチの中に入れます。肘が引っかからない程度の大きさに整えるとちょうど良いです。赤ちゃんをいれる側の上の部分の布は、少し広げておきます。ポーチを大きく作りすぎると赤ちゃんが埋もれてしまいますので、最初は赤ちゃんと同じくらいの大きさの丸めたタオルやぬいぐるみ、人形などで、適切な大きさを確認すると良いでしょう。
赤ちゃんをポーチでくるむ
新生児からできるコアラ抱き(いわゆる縦抱っこ)をする場合は、赤ちゃんをゲップをさせる時の要領で、リングとは反対側の肩にのせます。首が座っていない場合は、片手で赤ちゃんの頭、もう片方の手でお尻を支えます。足をM字になるようにしながら、スルスルっとポーチの中に赤ちゃんをおさめます。
赤ちゃんのお尻をくるっと布で巻き込むようにして、お尻側の布を整えます。この時、お尻の布が引っかかってるだけだったり、くるみ方が緩いと、落下してしまいます。必ず、膝の裏まで布がくるように気をつけましょう。赤ちゃんの足はガバッとカエルのようなMの形に開いてあげます。頭側の布は赤ちゃんの顔が埋もれない程度の高さに調節して、テールを引いて行きます。
赤ちゃんの顔は、お母さんがおでこにキスできる距離が適切です。首を屈めないとキスできない場合は、ポーチが大きすぎるということです。ポーチを作り直してから、抱っこをやり直してください。抱っこしてからポーチを整えると、重心が不安定になるので、最初に適切なサイズにしてから、抱っこするようにしましょう。
スリングの使い方をもっと知りたい!という方にはこちらのサイトがおすすめです。詳しい使い方が掲載されています。
スリングは、どんな使い方ができるの?
スリングは、対面抱っこ、縦抱っこ、前向き抱っこなど様々な抱っこができます。スリングでの抱っこは、赤ちゃんの手足の動きを妨げず、視界を塞ぐことがないので、「社会性が育つ」と言われています。腰が座ると、赤ちゃんの顔を外側に向ける、前向き抱っこができるようになるので、外出時はご機嫌斜め、という赤ちゃんにもおすすめです。
横向き抱っこは、一部のスリングでは、使い方として紹介されていますが、この抱っこの仕方は、脱臼や転落、窒息の事故が多く発生したため、現在では推奨されておりません。そのため、ここではご紹介を省きます。
代表的な抱っこの仕方
コアラ抱き(新生児〜)
コアラ抱きは、対面の縦抱っこなのですが、布を赤ちゃんの首の後ろまで引き揚げて使うため、首の座っていない新生児から行うことができます。
寄り添い抱き(首がすわってから〜)
首が座ってから使える抱っこの仕方です。対面抱っこでお母さんの表情がよく見え、コミュニケーションをとることにも役立ちます。通常の腰ベルトつきの抱っこ紐と比べて、赤ちゃんは動ける部分が多いので、窮屈さがありません。
カンガルー抱き(腰がすわってから〜)
いわゆる前向き抱っこです。赤ちゃんの顔を外に向けることができるので、とても刺激的です。足はカエルのように布の中であぐらのような形にして抱っこします。赤ちゃんが周りの景色や音に興味を示すようになる時期は、大助かりな抱っこの仕方です。
腰抱き(腰がすわってから〜)
お母さんの腰骨あたりを跨ぐような抱っこの仕方です。抱っこの仕方は、寄り添い抱きと変わりませんが、45度横にずらすような感じで抱っこします。お買い物や、ちょっとした家事をしたいときに、前があくので便利です。
スリングのメリットは?新生児にも使える?
スリングは、通常の腰ベルトつきの抱っこ紐でよくきかれる、暑い・かさばる・腰が痛い、という悩みを解消してくれます。スリングを使っていて、感じたメリットをご紹介します。
ファッションを楽しむことができる
子育てで授乳や抱っこをしていると、ファッションは必然的に限られてしまいます。特に抱っこ紐の場合、体の半分を覆ってしまうため、ファッションを楽しむ、ということを諦めざるを得なくなります。好きな色、柄があってもサイズが合わない、ということも。
一方、スリングの場合、それ自体がまるで洋服のような感覚で布選びをすることができるため、子育てに対するモチベーションをあげることができます。美しい色合いのスリングは見ているだけでも心が癒され、ゆったりした気分で子育てができそうです。自分で、好きな布を選んで、作ってみるという選択肢もあります。
サイズの調節できる
スリングはリングありのタイプの場合、サイズを調節することができます。テール部分を引くことで、ポーチの大きさが変わるため、新生児から3歳頃のお子さんまで抱っこすることができる、夢のようなアイテムです。私は、下の子が生まれた時から、スリングを使用していますが、同じスリングで上の子を抱っこしてあげることもありました。とても嬉しそうにしていたことを思い出します。スリングで、上の子が下の子を抱っこしてくれることもありました。スリングは、赤ちゃんだけに使えるものではないので、上の子とのコミュニケーションにも役立ってくれるアイテムです。
暑くない・蒸れにくい
ベルトつきの抱っこ紐の場合、何よりも辛いのは、「とにかく暑い」ということではないでしょうか。猛暑が続く中、抱っこしなくてはならず、お互いに熱中症になってしまう可能性もあります。さらに腰回りがとにかく蒸れるため、肌の弱い赤ちゃんや、汗疹のできやすい赤ちゃんも辛いはずですし、お母さんも汗びっしょりになってしまいがちです。その点、スリングは肩から背中で赤ちゃんの体重を支えるため、蒸れにくく、夏場でも快適です。スリングから子どもをおろしても、自分の洋服が乱れないことも嬉しいメリットです。
新生児から使える
最近では新生児から使える抱っこ紐も増えてきていますが、スリングは新生児でも無理なく赤ちゃんを抱っこすることができます(コアラ抱き)。
赤ちゃんがすぐ寝てくれる&起きない
スリングは、赤ちゃんにとって理想的な背中のCカーブを作ることができます。子宮の中では、くるっと丸まって育つ赤ちゃんの姿勢そのものを再現できるので、第二の子宮とも呼ばれています。お母さんの心臓に近い位置に頭が来るので、心音も相まって、心地よい眠りを誘います。
抱っこでしか寝ない赤ちゃんは多いと思いますが、腱鞘炎や腰痛に悩まされる方も多いはずです。スリングなら、赤ちゃんによっては秒で寝てくれます。
抱っこで寝てしまっても、スリングごと布団におろすことができるので、背中スイッチを押しにくいのも魅力です。
着脱が楽
スリングは、バックルなどの留め具がありません。リングありのスリングは、布を引くことで、着脱が可能です。慣れてしまえば、ものの数秒で着脱できます。
歩きたい盛りの1才前後のお子さんは、抱っこと歩くことを数分単位で繰り返すことも多いのですが、スリングならさっと抱っこしてあげることができます。
かさばらない
通常の腰ベルトつきの抱っこ紐は、腰の負担が軽いタイプほど、腰ベルトがしっかりとした作りで、とにかくかさばります。使っていないときに、持ち運ぶとなるととても荷物です。子供の着替えやミルク、飲み物などを同時に持ち歩くとなると、登山並の荷物になってしまうことも。その点、スリングはくるっと丸めて持ち運ぶことができ、布自体はとても軽いため、持ち運びも楽です。
旅行のときやお出かけの際に、抱っこ紐を持っていきたいけど荷物になるから、持っていくか迷うという時でも、負担になりません。
洗濯が楽
赤ちゃんや子どもは、ミルクを吐いたり、おむつが漏れてしまうことも多々あり、洗濯が大変ですよね。スリングの場合、基本的に大きな布なので、タオル感覚で洗濯ができ、ストレスフリーです。
抱っこしたまま授乳ができる
スリングは抱っこだけでなく、授乳の際にも役立ちます。リングありのスリングの場合、テールを少し緩めて赤ちゃんの顔を胸に位置にずらすと、簡単に授乳することが可能です。また、テールをケープ代わりに使用することができるため、狭い場所や授乳スペースがないときでも、授乳をすることが可能です。
スリングのデメリットは?危険性は?
片側に赤ちゃんの体重がかかる
スリングは正しい位置で抱っこができると、赤ちゃんと一体化したように重みを感じないほど軽い抱っこが可能です。ただし、やはり片側の肩と背中に赤ちゃんの体重を分散させているため、お子さんの成長に伴い、当然ですが負担は増します。概ね10kgを超えてくると、長時間の抱っこは辛くなるので、スポット的に寝かしつけやお出かけでぐずった時などに活用するスタイルがおすすめです。
使い方にコツがある。練習が必要
スリングは前述の通り、準備と使い方、抱っこの仕方が大切です。正しい使用方法を守ることで、快適に赤ちゃんとの抱っこライフを送ることができるアイテムです。他の抱っこ紐でも言えることですが、正しく使用しないと、事故に繋がる危険があります。
落下事故も、脱臼も、赤ちゃんの足を正しい形にしていないことによるものです。スリング自体が危険、という認識は誤解です。その点は、よく使い方を練習してから、使うことを強くおすすめします。使い方を間違えると、赤ちゃんも危険ですし、使う側も肩を痛めたりしてしまうためです。
そのような観点から、スリングは気軽に夫婦や親とシェアする抱っこ紐には向いていないのではないか、と言わざるを得ません。もちろん、きちんとスリングの使い方を練習して、使いこなせるように努力できる人同士でのシェアは、可能だと思います。
スリングのおすすめは?
スリングには、リングありとリングなしのタイプがある、ということをお伝えしました。また、サイズ調整ができて、コンパクトなタイプもあります。
リングありのタイプは、サイズの調整が可能なので、新生児から大きくなっても使いたい方におすすめです。お洒落なデザインが多く、他の人と被らないことも魅力です。リングなしのタイプに比べると、布の量が多いため、ややかさばるかと思われます。
https://www.psling.net/
リングありのスリング おすすめ
・ピースリング
リングなしのタイプは、よりコンパクトでかさばりにくいものが欲しい方におすすめです。一人ひとりの体型にあったものを選ぶ必要があるため、違う体格の人とシェアすることはできません。
世界一美しいスリングとして、世界中のセレブにも愛用されている日本のメーカーです。京都の友禅染めの技術で染め上げられており、リングに刻印やオーダーメイドをすることができます。また、スパイダー柄やレオパード柄などモダンで斬新な柄もあります。洋服のような世界でただ一つのスリングをオーダーできます。
・ファムベリー
https://www.femmebelly.jp/SHOP/ss.html
手作りのスリングを使って子育てをされたことをきっかけに、2004年に始まった静岡のベビースリング&ママグッズのブランドです。素材の調達から製作、検品までを全て国内で行う安心さが魅力です。
・北極しろくま堂
https://www.babywearing.jp/productinformation/babycarrierbackcarrier/babysling
日本のスリングで初めて、グッドデザイン賞・キッズデザイン賞をダブル受賞したスリング、キュットミー!をはじめ、赤ちゃんを身にまとうことをコンセプトに、へこ帯や昔ながらのおんぶ紐など数多くの子育てアイテムを販売されています。定期的に関東や関西の百貨店で、商品の説明会を開いているため、実際に手にとって試すことが可能です。
リングなしタイプのスリング おすすめ
・AKOAKO スリング
木綿やWガーゼなど、肌に優しい国内生産の素材を使用したスリングです。表地と裏地の組み合わせが自由なので、自分好みのスリングを選ぶことができます。有名子育て雑誌に掲載され、SNSでも注目されているスリングです。
・ベッタ キャリーミー
https://carryme.betta.co.jp/
ファスナーがついており、段階的にサイズの調整が可能なリングなしのスリングです。北欧を思わせるおしゃれな柄が多いのも魅力です。
いかがでしたか?とっても便利で、子育てが楽しくなるスリングの魅力をお伝えました。スリングを使うことで、抱っこがより快適になり、赤ちゃんもママも笑顔に変わってくれたら嬉しいです。
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